2019年こどもの言葉  響け“広島平和の鐘”

いのります


広島大学付属小学校 2年 かめおみゆこ

「カゴーン カゴーン」
わたしとお母さんが鳴らした へいわのかねの音。
八月六日の朝。 わたしたちは、へいわ公園の しきてんに よばれ、小走りに会場へむかいました。 わたしは、のどが かわいて しかたが ありませんでした。
ついて、すこしすると かねを鳴らす時間になりました。 のどが かわいて いるのを がまんして、わたしは かねを つきました。
その きれいな かねの音は、天国まで とどきそうで、におう わけも ないのに、まるでお花ばたけに いるような かんかくに なりました。
音を聞いて かんじた色は、白でした。 原ばくで しんでしまった人びとが、やすらかに ねむっている かんじが しました。
なぜ へいわしきてんに よばれたかと いうと、お母さんの おじいちゃんが、へいわの かねをデザインした画家だったからです。
かねを つくとき、お母さんの手が赤くなっていることに気がつきました。きっとお母さんは、心をこめて かねを ついたのだなあと思います。 わたしも お母さんに まけない くらい引っぱると、手が白くなってしまいました。 手をはなすと赤くなりました。
わたしは そうぞう しました。 かねの音が もし、電車だったら、天国が さいしょの えきで、つぎの えきは、天国のもっと上、みらい えき。 そこまで この音がとどいてほしいと思っています。
せかい中の人びとが、なかよく、もう せんそうなんて やめて ほしいと わたしも はじめて 思いました。
わたしは、のどが かわいて いたのに、すっかり そのことを わすれていました。
「ひびけ! へいわの かね」
わたしは、心の中でさけびました。

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